2021年10月27日、オリックスバファローズ、25年ぶりのリーグ優勝。
ロッテ-楽天戦の試合終了のコールが鳴った途端、京セラドーム大阪でその様子を見届けてきた選手たちはいっせいにベンチから飛び出し、歓喜に沸いた。
少々不慣れ(笑)な胴上げやビールかけ、道頓堀には3人しか集まらず警察の警戒態勢もただ無駄骨に終わっただけとなるもネット上では狂喜乱舞のファンたち。
なんとTwitterでは一時「オリックス」が世界トレンド1位だったらしい。去年は開幕6タテという実に不名誉な記録でトレンド入りしていた球団とはとても思えないような成長ぶりを見せた。
↑トレンド入りし無邪気に喜ぶ6タテされた球団公式の図
そんなオリックスだが、プロ野球と言うのは一種の興行、それも優勝ともなれば親会社の優勝セールだの地元の百貨店等では大はしゃぎだの…相当な額のお金が動くことになるだろう。今回はこの場をお借りしてオリックスの優勝によって生じる経済効果について解説していきたいと思う。
まず過去の優勝時はどれほどの金が回ったのか。(言い方悪いですね、すみません)
25年前となる1996年のオリックスブルーウェーブの優勝時、親会社のオリックスは球団公認のグッズショップでの優勝記念セール、経営しているレンタカーのセールと親会社自体のサービスとしては若干地味か?
オリックス自体金融やリース、保険などといった金融業が多い為、今回の優勝時もオリックス自体は若干地味なサービスやセールになる可能性があると予想される。
しかしながら前年度リーグ優勝しかしていない95年では優勝記念バーゲンだけで約40億円ととても被災地とは思えないほどの売り上げを神戸全体にたたき出した。
当時7月までに営業再開できた神戸市内の店舗や商店街が全体の3分の2という事を鑑みると異常な数字であることがよく分かるだろう。
翌年となる96年も神戸グリーンスタジアムの年間観客数を震災前の94年から2年で約20万人増加したものだから大したものである。
今年の場合、関西大学名誉教授宮本勝浩氏がオリックスのリーグ優勝による経済効果は、入場料やグッズ売り上げといった直接効果などから算出した結果約231億円に上るとみられる。この算出結果について氏は「もし全試合が制限なしの観客を集めていれば、かなり多額の経済効果を関西地域にもたすこととなっていただろう」と語る。
また10月28日時点で既に近鉄百貨店、ビックカメラ、Pontaがキャンペーンや優勝セールを実施している。先ほど挙げた経済算出に含まれるであろうこれらの優勝セールが一体どれほどの売り上げを残すのか気になる所である。
同じくコロナ禍の煽りを受けた昨年との比較としてリーグ優勝、そして日本一となったソフトバンクホークスが274億円だそう。コロナの影響もあってプロ野球の興行収入のおおむね30~40%を占めるとされている入場料が例年の半数近くであるのが最大の原因なのか両者揃って寂しいのが少々残念である。
また、関西大学名誉教授宮本勝浩氏は阪神対オリックスの日本シリーズ「関西ダービー」が実現した場合の経済効果を全国で約1146億円と計算。日本シリーズだけで約268億円もの経済効果が発生すると推定いた。実現すれば関西はお祭り騒ぎだっただろう。
まあその夢は途絶えてしまったが、私個人としてはそれで良かったかもしれない。
もし関西ダービーが実現すると、オリックスが勝とうが負けようが関西のメディアが注目するのは道頓堀に落ちる方なのだから。
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